2012.01.28

■1月某日 開幕した国会だが、野田総理の施政方針演説を聞いても日本の先行きは全く見えない。岡田副総理を起用して税と社会保障の一体改革と称して消費税増税を画策しているが、当の岡田副総理が消費税増税は10%アップでは足りないとの発言もしている。この未曾有の大震災と原発事故の中で、景気の低迷、不安定な雇用、年金じたいの引き下げも囁かれる中で、消費税を増税するなんて正気の沙汰ではない。民主党・野田政権が早番行き詰るのは目に見えている。新党構想や政界再編も取りざたされている。政権交代時の公約をことごとく投げ捨て、公約破りの消費税増税を先行させるというのだから、野田総理の本音が、財務省と一体となった消費税増税にある事は、明白である。財務省の手先と呼んでもいい。メディアも基本的には財務省―野田政権と歩調を合わせているのだから始末が悪い。
 民主党は前回の参議院選挙でも菅前総理が消費税増税を打ち出して大惨敗を喫した。その反省は全く見られない。むろん、幹事長すら一切の責任を取らなかった。かつては消費税増税10%を主張していた自民党も、民主党の豹変ぶりに対して、徹底した自己批判が必要との立場にシフトしている。自民党としてはこれ以上、民主党に政権を任せていれば、日本の先行きが見えないという事もさることながら、自民党という政党のアイデンティティじたいも消滅する危機感を感じているのだろう。仮に、民主党が来年まで政権の座に居座れば、自民党じたいの財源も枯渇して潰れるとの見方もあるほどだ。それも、自民党が官僚任せの悪政を続けてきた結果なので同情する気はない。沖縄の基地政策や辺野古新基地建設も戦後の防衛・外務―自民党―米国の独断で進められてきた。今年で、沖縄の本土復帰から40年。沖縄は、日米安保維持のための最大の犠牲をいまだに強いられたままである。
  そんな中、辺野古新基地を推進するための環境アセスの内容に批判が集中している。むろん、日本全体の問題ではなく、沖縄の地元メディアを中心とした限定的な動きだ。アセスの調査・制作があまりにも杜撰だからだ。防衛省は一貫して欠陥機の噂が消えないオスプレイが配備されることもひた隠しにし、環境アセスにも盛り込んでこなかった。絶滅危惧種のジュゴンにしても、海中写真におさめてはいるが、確実に生存しているのは一匹だけで、環境に影響はないという紋切り型の報告で済ませている。むろん、オスプレイが発する低周波の影響についてもほとんど言及していない。
  その謎がばれたのが、沖縄タイムス(1月24日)が「アセス業者に天下り 防衛OBが顧問客観性に疑問」というスクープ記事だ。環境アセスの調査を受注した民間の調査会社に防衛省の天下り役人がいたのだ。しかも、随意契約で、癒着の構図が浮き彫りにされた形だ。ライバル紙の琉球新報も翌日の紙面で追撃。「アセス業者に天下り 防衛省OB 科学的客観性に疑義も」(1月25日)。新報は翌日も「辺野古アセス 受託全四社に天下り、競争入札なく高落札率」と追撃。むろん、火をつけた形の沖縄タイムスも一面トップで「アセス調査 二社独占 落札率99% 3年で34億円」とやり、27日の社会面トップで「アセス天下り6人に 防衛省契約の6業者」と追撃。この沖縄県地元紙の調査報道で、沖縄では「アセスそのものをやり直せ」という声が広がっている。当然のことだろう。 防衛省の田中前沖縄防衛局長の暴言、田中直紀新防衛大臣の無知と失言。防衛省という役所に対しては、根本的な人材教育と防衛予算の無駄遣いを徹底チェックすべきである。こんなメチャクチャな税金の無駄遣いを放置して、消費税増税なんて、野田総理の厚顔無恥ぶりも相当なものだ。
 それはともかく、このところ元気のなかった沖縄タイムスの調査報道がスクープを生み、ライバル紙の琉球新報にもいい刺激を与えている。中央メディアには切り捨てられている沖縄だが、地元二紙の相乗効果による奮起だけが県民に希望を持たせてくれている。それが日本のメディアの現実なのだ。

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2012.01.23

■1月某日 沖縄は場所によっては旧正月。糸満市ややんばるなどが代表的だ。中国や台湾では春節という。沖縄が中国文化圏にあった歴史を物語る行事だ。そんな中、田中直紀防衛長官が就任後、初の沖縄訪問。県庁前では反対派がシュプレーヒコールを上げる中、仲井真知事と会談したが、全くのすれ違い。知事が「沖縄は?」と水を向けると、「年に一度くらい石垣や硫黄島を家族で訪れている」と答えた。エッ、硫黄島?と思ったが、伊江島の間違いだったらしく、後で訂正。当初は、基地視察の予定も入っていなかったことにも驚かされた。普天間基地は参議院外交防衛委員会時代に訪れたし、キャンプシュワブは遠いので日程的に無理というのが田中防衛大臣の言い分であった。さすがに、それでは、県民の支持が得られないと思ったのか、嘉数高台から真部朗沖縄防衛局長の案内で普天間基地を視察することになった。しかし、ここでも失言。「離着陸の軍用機は少ないんでしょう」と真部局長に問いかけたのだ。一日40数回の離着陸が確認されている事実すら知らなかったのだ。大臣就任直後にも記者会見で「辺野古は年内にも着手したい」と答えたのだ。まだ、環境アセスのチェックも始まったばかり。知事が埋め立ての許可を出す確証もない。何よりも県民の大多数が反対している新基地建設に対して、防衛官僚の思いをそのまま公開しただけなのだ。田中大臣は、たぶん野田新内閣の問責決議第一号候補ではないのか。
 財務官僚の言いなりで消費税増税を目論む野田総理が、ようやく国会議員の定数削減を打ち出した。しかし、その内容は、比例の定数を80削減するというもの。誰が考えても、公明党などの少数政党が賛成するわけがない。一方、国家公務員の給与削減は棚上げされたままで、やる気は見えない。野田総理が本気で消費税増税をやる気なら、国民が納得できる予算の削減を打ち出さなければ、支持されるわけがない。政治家としてのセンスを疑いたくなる。増税派は早くも消費税は10%では足りなくなるという声を発信している。不景気と失業率の高い中、国民から搾り取るだけ絞ろうという野田政権と財務省の魂胆が透けて見える。
 それにしても、「最低でも県外」と主張した鳩山総理時代の北沢防衛大臣、菅総理時代の一川防衛大臣、野田総理の田中防衛大臣といい、一体何を考えているのか。防衛官僚に洗脳されたことをオウム返しに繰り返すだけ。沖縄に対する思いも、日米関係に対する努力も想像力も全く感じられない。わざと、ダメな防衛大臣を選んでいるとしか思えないほどだ。三人とも輿石幹事長の推薦だと思われるが、その条件は、「防衛省の言いなり、米国の言いなり」で選んでいるとしか思えない。例えば、国外移設を主張する川内博史議員などを抜擢する可能性はゼロなのだ。すべからく、防衛・外務・米国の枠内でしか動くことが許されていないのだ。そのことで最大の不幸を押し付けられているのが、沖縄だ。沖縄県は一括交付金で普天間の地主から土地を買い上げる方針を明らかにした。返還後を見据えた都市計画のビジョンを見通すためである。政府にすれば裏切り行為だろうが、できれば、ワシントンに沖縄県の出先の事務所も作るべきだ。官僚情報に任せることなく、独自で米国議会情報や米国シンクタンクの情報を収集して沖縄の為になる対米活動を積極的にやるべきである。そのために、一括交付金が有効に使われれば、沖縄と日本の将来のためには有意義であること、間違いなしである。
 沖縄の地元紙は連日のように環境アセスに対する検証記事に力を入れている。下請けの調査会社に丸投げしただけで、ジュゴンやオズプレイの低周波に関しても科学的な検証抜きで「問題ない」を乱発。メディアはこの環境アセスを請け負った会社の正体を調査すべきである。おそらく、こうした会社は原発誘致でも現地調査を請け負っているはずだ。御用評論家や御用会社に公正な調査などできるわけがないのだ。

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2012.01.18

■1月某日 野田内閣の支持率が低下している。予想の範囲内だ。岡田副総理で補強した内閣改造にも期待した成果は出ず、逆に田中防衛大臣に代表される失言や無知ぶりがさらけ出された形だ。そもそも、田中直紀が防衛大臣に就任とはどういう事なのか。前任の一川防衛大臣、さらにその前任の北沢防衛大臣も参議院のドン・輿石幹事長の推薦との見方もあるが、だとすれば、この人物の人事音痴ぶりは相当の重症ではないのか。北沢防衛大臣は、鳩山総理の「最低でも県外」の意向を完全無視して県内移設=辺野古新基地建設一直線。鳩山総理の政治的リーダーシップがなかったことが原因だが、総理の意向を無視して防衛官僚と二人三脚で突っ走る「陸軍大臣」気取りの北沢というのは何者だ。鳩山総理をバカにしているとしか思えない。そんな身勝手な大臣が横行するのが民主党の未熟さということだろう。いわゆる政権の体を成していないのだ。一川防衛大臣も「防衛はシロウト」と自ら告白して問責決議を出されて失脚した。日米安保と沖縄の米軍基地は日米関係の基軸である事をことごとく強調する政権が、無力な人物を防衛大臣に起用するというのも解せない話だ。本来ならば、一川防衛大臣の失敗を教訓にすべきなのに、野田総理には学習能力ゼロである。はっきり言うが、田中防衛大臣に期待するものは何もないというのが、沖縄県民の総意である。
 沖縄が本土復帰になり、今年で40年を迎える。そのことと関係があるのだろうが、山崎豊子原作の「運命の人」がTBS系列で映像化された。いわゆる沖縄返還にまつわる日米両政府による密約をスッパ抜いたことで国家公務員法違反のほう助罪に問われた毎日新聞の西山太吉記者が主人公のドラマだ。この問題には筆者も仕事柄いろいろと関わってきたが、西山記者は日米両政府の機密にふれたことで、歴史的な大スクープが検察当局によってスキャンダルに捏造された。その一連の経過をたどるドラマは、今日でも迷走を続ける沖縄問題の原点を確認するためにも、ぜひ見て欲しいドラマだ。
 沖縄問題といえば、2900億円は交付された沖縄振興金のうち、1500億円余りが一括交付金となった。国に指図されることなく、県が自由に使えるお金だ。その一部を普天間基地の地主から買い取る方針が打ち出された。世界一危険な普天間基地の継続使用を許さないという強い意志を打ち出し、返還後の基地再利用を計画的に進めるという方針だ。いいアイデアだが、国にすれば、せっかく沖縄の為に優先的に打ち出した一括交付金を国の方針に反する使い道という判断から、国と政府が沖縄県に圧力をかけてくる可能性もあるだろう。ここは沖縄県の緻密な戦略が必要不可欠だろう。
 もうひとつ、民主党沖縄県連の代表代行である喜納昌吉前参議院議員が、党の副代表である石井一氏とともに野田総理と面談し、普天間基地の嘉手納統合案を申し入れた。面談には斎藤勁議員も同席したが、野田総理は「聞き置く」という話で終わった。この件に、筆者も関わっているのではないかとの一部の見方が出ているが、それは一切ない。確かに、喜納氏と民主党沖縄県連の上里直司政調会長が打ち合わせをしている時に同席はしたが、話の内容じたいは一切聞いていない。ただ、進展しない普天間問題の打開策として、統合しても基地にまつわる騒音や危険性をこれまでよりも一割以上縮小し、嘉手納基地そのものの管理権を日本側が持つというアイデア自体は悪くない。ついでに、懸案の日米地位協定の抜本改定をセットにして交渉すればいい。巨額の税金を投入して辺野古に新基地をつくるよりはましかもしれないが、嘉手納基地周辺の沖縄市、北谷町、嘉手納町民の理解を得るのは限りなく不可能だろうと思う。今のところ、この案は、喜納氏の個人的見解で、民主沖縄県連の総意でもない。田中直紀防衛大臣も来沖の予定になっているが、何回きても、県知事や県民の意見が変わるとは思えない。来沖を公言していた野田総理が、いまだに沖縄に来れないことが、この問題の行き詰まりを象徴しているのではないか。

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2012.01.14

■1月某日 年明けの沖縄は曇り空が多く、気温も低い。昨年の11月末からの天候調査によれば、沖縄の日照時間は5割減だという。寒さを体感するだけではなく、農作物の生育にも大きな影響を与えるのではないか。世界的な不況の中で、日本も大震災からの復興や原発事故の長期的な事後処理対策が待ち受けている。新年とはいえ、おめでとうという言葉を軽々につかえない暗い年の幕開けだ。例によって、今年も沖縄の成人式の風景を「週刊文春」が取り上げていたが、不肖・宮嶋カメラマンによると、この荒れる沖縄の成人式の取材はうんざりで、来年は来ないそうだ。いいことである。メディアが注目するから、若者が過剰にメディア受けを狙ってエスカレートする側面が強い。メディアが無視すれば、目立ちたがり屋たちは、意気消沈するしかない。暴走族とメンタリティは同じなのだから、メディアは無視すればいいのだ。だいたい、沖縄に移住して7年経つが、荒れる成人式の光景なんて、俺は一度も見てないぞ。
 荒れる成人式ではないが、野田内閣の内閣改造もメディアが騒ぎすぎだ。政治家は目立ちたがり屋が圧倒的に多い人種だ。参議院で問責決議が出された一川防衛大臣と山岡消費者担当大臣の交代は予定通りだったわけで、大騒ぎすほどのことでもない。このまま、この二人の大臣が居座りを続ければ、野党が審議拒否する作戦に出る可能性があるので、避けられない当然の内閣改造だった。二人の大臣に弁解の余地はない以上、誰しも納得できる交代劇だった。問題は、新しい大臣の顔ぶれだ。防衛大臣に田中真紀子の旦那・田中直紀が指名されたが、適材適所の人事とは到底思えないし、防衛に関しても一家言ある人物とは思えない。小沢一郎に配慮した人事とのまことしやかな解説も出たが、ホンマかいな?である。どうせ、防衛官僚にがんじがらめにされて、日米合意=辺野古新基地推進しか選択肢はないはずだ。外務官僚に潰された経験のある田中真紀子が、旦那にハッパをかけて防衛官僚と正面から闘う姿勢に期待したいが、無理だろうな。新大臣に選ばれた松原仁国家公安委員長、小川敏夫法務大臣、平野博文文部科学大臣にも期待は持てない。平岡法相の更迭は死刑制度に懐疑的だったし、中川正春も八重山教科書問題で指導力のなさを見せたが、平野新大臣は早くも竹富町の教科書は有償を宣言している。松原仁は国家公安委員長で拉致問題を担当することになるわけだが、金正日の死去で流動的な北朝鮮の国内事情を思えば、この問題で進展があるとは思えない。
  今回の閣僚人事で目玉とされた岡田克也副総理兼社会保障と税の一体改革大臣も、メディアが期待するほどにリーダーシップがある政治家ではないことは、これまでの選挙に弱い幹事長や対米追随の外務大臣時代の働きぶりを見れば一目瞭然だ。メディアは騒ぎすぎである。副総理にしては軽量級すぎる。むしろ、頑迷な性格が裏目に出て、党の分裂を促進させる可能性すらある。この岡田人事を裏目読みすれば、前原政調会長と野田総理の冷たい関係が間接的に影響しているはずだ。前原氏は八ッ場ダムや問責決議の取り扱いで野田総理と対立する局面があった。野田総理としては、ライバルでもある前原政調会長よりも岡田克也をとって、不退転の決意である消費税増税のために政権の命をあずけたつもりではないのか。しかし、岡田副総理にそれだけの政治力があるとは思えない。野田総理がいくら「最善、最強の布陣」と力説しても、経済音痴の安住が財務大臣で留任するようじゃ、「最悪、最低の布陣」と断じるしかない。メディアが総じて野田総理や岡田副総理に好意的なのは、おそらく財務省の消費税増税への援護射撃とみて差し支えないだろう。恣意的な世論調査も含めて、である。
  話は変わるが、「噂の真相」の副編集長をつとめた川端幹人が「タブーの正体!」(ちくま新書)を書いた。ウワシン時代のエピソードも随所に盛り込まれており、面白いので一気に読んだ。元ウワシン読者には必読の書と推薦しておきたい。佐野眞一氏も三国連太郎の人生を描いた「怪優伝」(講談社)と孫正義の半生を描いた「あんぽん」(小学館)と立て続けに新刊を出した。東北の震災地や沖縄を訪れつつ、旺盛かつ精力的な執筆活動ぶりに敬意を表したい。

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2012.01.09

■1月某日 マニラから台北経由で那覇空港に着くと、小雨のせいもあって肌寒い。それでも東京からきたばかりの友人たちによると、沖縄はまだあたたかいという。マニラのホテルでは正月でもプールで泳いでいる滞在客が多いのだから、まさに常夏の国である。沖縄は亜熱帯だが、緯度としてはもっと低い位置にある経由地の台湾の方がむしろ寒いのだ。台湾には高い山々がそびえているため、寒暖の差があるのだろう。台湾には沖縄にはない紅葉が見られるのも特徴だ。乗り換えのための待ち時間のある台北空港でカラスミと夏川りみの台湾バージョンのDVD、シーバスの18年もの洋酒などを購入する。毎年の事だが、マニラへの直行便がないため、台北空港で二時間以上時間を潰すことになる。台湾は目下総統選挙の真っ最中だが、空港内にも選挙用の看板が飾ってあり、激しい選挙戦で知られる台湾(中華民国)らしい光景を垣間見ることもできる。
 沖縄に到着すると、すぐさま琉球新報に連載中の「沖縄幻視行」の原稿、400字5枚を執筆。一週間ほど日本を離れ、地元の二紙を読まないと日々状況が変わっているので、沖縄ウォッチャーとしては困るのだが、年に一度の年末マニラ休暇は止められそうにない。原稿を書き終えたら、東京からの来客が二人と合流して、沖縄での今年初の酒盛り。久々の再会だった。一人の方は久々の再会だった。翌日は沖縄大学土曜教養講座で、「原発とメディア、そして自由報道協会」というテーマのシンポジウムに参加する。 
  この 自由報道協会メンバーで、上杉隆代表を支える畠山理仁が基調講演。畠山氏には「記者会見ゲリラ戦記」(扶桑社新書)という著者もあり、大手メディアの記者クラブメンバーや霞ヶ関の官庁との間で日常的な戦いをやっているフリージャーナリストだ。民主党による政権交代により、昨年初めに発足したフリーや動画サイトのメンバーなどが参加する自由報道協会の主要メンバーだ。日本の自由な言論活動に何かと制約をつくってきた大手メディアによる記者クラブ制度に風穴を開けた画期的なグループだ。畠山氏の基調講演を受けて、琉球新報編集局長と筆者がシンポジウムに加わり、沖縄大学非常勤講師の慶田城健仁氏(元琉球新報)が司会役を務める。内容は、「地元紙と3・11」「沖縄から見た3・11」「前沖縄防衛局長・田中聡氏の暴言発言の真相」「記者クラブとオフレコ」「沖縄と本土メディアの温度差」などについて語り合う。硬めのテーマや宣伝不足もあったが、参加者は約80人。主催する沖縄大学地域研究所の緒方修所長に、新刊「沖縄から撃つ!」(集英社)を会場で販売したらどうかとの提案を受けて、学生の販売要員を用意してもらって出店する。20冊準備したが、12冊売れて、即席のサイン会。自分がメインでないシンポジウムにしては、実売率6割はまあまあの成果か。終了後、参加していた沖縄大学のK教授や畠山氏、慶田城氏らと打ち上げで飲む。会場には平良長政氏や詩人の高良勉氏、沖縄タイムス女性記者など知り合いの顔もあった。
 会場からの質問にも出たが、年末から年始に向けてトラブルになった辺野古新基地建設のための環境アセスメントの行方が気がかりだ。「防衛省の河童頭」真部朗沖縄防衛局長も気が動転していたのかも知れないが、役所の御用納めの朝四時という非常識な時間帯の資料搬入に加えて書類の大幅不備などもあったが、県側は鷹揚に受理した。沖縄への補助金が一括交付金を含めて2900億円を獲得できたため、仲井真知事がその恩義に報いるために、政府寄りの姿勢にシフトしているのではないかとの疑義も出ている。しかし、「辺野古建設は無理、県外移設を」と主張してきた仲井真知事の姿勢がブレるとなれば、県民の総意に反するし、総スカンを食うだろう。今のところ、知事自身はスタンスは変わらないということをアピールしているが、日米両政府の強力かつ掟破りの圧力に抗しきれるかどうか、まだまだ予断を許さない状況だ。

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2012.01.04

■1月某日 フイリッピンの首都・マニラのカウント・ダウンは世界でも珍しい過激な派手さがある。決して豊かな国ではないが、クリスマス&ハッピー・ニューイヤーで一年間の締めくくりを大いに楽しもうという国民性なのかもしれない。中東や香港などの海外に出稼ぎに行く国民も世界的に比率の多い国で、この時期には里帰りで帰国する人々も多い。大統領制の民主主義国家ではあるが、貧富の差は激しく、まさに階級社会である。首都・マニラにしてもスラムに住む人や野外生活者もいれば、厳重な警備陣に守られた特別居住区に住む裕福な有産階級もいる。路上で物売りする子供たちやストリート・チルドレンが多いのもこの国の特徴である。近年、首都圏のマカティ地区には、ビジネスエリートと呼ばれる新中間層も増えている。昨年のフィリピンの経済成長率は年7パーセントを超えたいという。しかし、フィリピンは沖縄よりもはるかに離島が多く、国全体としての豊かさは感じられない。もともと、成長率が低かったので、リーマン・ショックなどの影響を受けずに済んだという事かもしれない。
 そんなフィリピンだが、大みそかのカウント・ダウンはいつもの年に比べると静かな街となった。例年ならば、街中で個人が打ち上げる花火が満開だし、ピストル音のような強烈な爆竹音があちこちでけたたましく鳴り響いていたものだ。毎年、死傷者が出るほどのフィリピン名物でもあった。しかし、今年は政府や警察が爆竹を厳しく制限したため、例年に比べいくぶん静かな街となった。死傷者が出るのは問題だとしても、筆者的にはいささか寂しいカウントダウンの光景でもあった。
 滞在中は、有産階級のシンボルみたいなマカティの高層ビル街のど真ん中にあるマニラゴルフで二日間にわたりプレイ。このゴルフ場を潰して、ビルやマンションを建てれば相当の経済活性化につながるのだろうが、この余裕がフィリピンらしい。会員権の相場は日本円で5000万円くらいだというから、フィリピンにすれば超贅沢なゴルフ場だ。ゴルフだけでなく、定宿に併設されているカジノにも時間を見て通う。常夏の国だけに、ホテルのプールでも家族連れでいっぱい。
 マニラで正月を過ごすようになったのも、ここに住んでいる日本人たちの知り合いが多いため、沖縄で「一人正月」を過ごすより楽しいし、いろんな話も聞けて刺激的だからだ。今年も、現地の日本人記者たちとの懇談会もあった。ゴルフやカジノも楽しめるので一石三鳥だ(!?)。この懇親会もセッティングしてくれら「まにら新聞」の野口社長邸でのカウントダウンホームパーティには単身赴任を含めた現地滞在の男たちが7人ほど集まった。普段,縁のない家庭料理も楽しめるので一石四鳥か(苦笑)。今回は、マニラを離れて、米軍が撤退したクラーク空軍基地の跡地の見学・取材にも出かける。いわゆるゴーゴーバーなどの風俗産業のメッカとなっているためだ。米軍がいなくても人が集まるし、雇用も大倍増だ。沖縄でも、米軍基地がなくなれば、沖縄の経済は疲弊するという論法の人がいるが、筆者的には基地推進論者に洗脳された基地利権派の言い分としか思えない。少なくとも、筆者の住む那覇新都心は戦後、米軍住宅が占拠していた時代に比べれば、信じられないほどの発展と雇用を生み出している。むしろ、米軍基地の存在により街が分断されて計画的土地運用の障害になっている側面も大きい。一昨年訪れた、同じく米軍が撤退したスービック海軍基地の跡地にも韓国あたりの企業進出で雇用も10倍増と聞いた。
 今年は沖縄が本土復帰して40年。いまだに、辺野古に新基地をつくろうという野望を抱く、民主党・野田政権と防衛・外務官僚が跋扈しているが、沖縄にとっては初の試みとなる一括交付金や振興資金を逆手にとって沖縄独自の自立経済を指向する「自立元年」にしたらどうか。米軍基地を追放した、アジアにおける地政学的優位性を誇るフィリピンが、その見本の一端を見せてくれているのではないかと感じさせられたフィリピン訪問だった。あ、忘れていた。筆者が書いた「沖縄から撃つ!」(集英社)の書評を作家の佐木隆三氏が熊本日日新聞に味のある書評を書いてくれた。感謝である。

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2012.01.01

■1月某日 今年も新年の挨拶をフィリッピン・マニラから送りたい。沖縄に移住してから毎年恒例のように正月はマニラ滞在である。しかし、新年の挨拶といっても、昨年は3・11東日本大震災という世界的かつ歴史的な悲劇が東北・関東地域を中心に発生し、福島第一原発のレベル7のメルトダウンまで起きた中で、とても「新年おめでとう」などという気にはなれない状況だ。大津波の事後処理も進まず、ほとんどの被災者は仮設住宅住まい。仮設住宅は手抜きの応急処置で作ったために隙間風が入るというから、この雪の降る厳寒は厳しすぎる。家も仕事も財産も失った被災者たちがあまりにも気の毒すぎる。
 しかし、東京電力や霞が関、官邸の杜撰な事故処理の検証がだんだん進むにつれ、怒りがふつふつとわいてくる。福島をはじめ東北の人たちは我慢強いといわれるが、まさにそのとおりである。普通ならば、暴動の一つや、東京電力に対する襲撃事件くらい起こっても不思議じゃない。世界の動きを見ていれば、帝国主義の本家・米国のニューヨークですら、反格差の運動が起こっている。中東、アラブ世界、ギリシャ危機に端を発したEU危機、ロシア・プーチン派の不正選挙に対する怒りの抗議行動、世界中が怒りの抗議を見せている。例外は金正日総書記を失った独裁国家・北朝鮮くらいのものか。しかし、それにしてもわが日本も実に「不思議の国」である。
  年末ぎりぎりになって野田政権の民主主義を無視した暴挙ともいえる独裁的政策が国民の目を盗んで断行された。財務省に完全洗脳された野田総理や民主党執行部が消費税増税でなぜここまで必死になるのか。ただでさえ景気の悪い日本がよりダメになり、生活困窮者や年金生活者には過酷な税金重圧である。米国への忠誠の一点において、普天間基地の代替施設である辺野古新基地の環境アセスの提出も県庁の御用納めの午前四時に強制的に執行された。沖縄県民の一部は県庁内に座りこみをやって、防衛省・真部朗局長らの暴挙を阻止する実力行使に出た。しかし、極東一の空軍基地のある嘉手納町にそびえたつ沖縄防衛局の建物に放火する人も火炎瓶も投げる人もいなかった。福島県民も大人しいが、沖縄県民もその意味では大人しい。そこに付け込んでいるのが、野田政権や、防衛省官僚どもである。
「サンデー毎日」の正月グラビアとして企画された有名人への年賀状で筆者にはジュリアン・アサンジが指名された。原稿の締切に間に合わず没になったが、年賀状は書かない筆者だが、ここにその内容の一部をここに紹介しておきたい。
<アサンジさま、いかがお過ごしですか。貴殿のウィキリークスの歴史的な国家機密暴露活動に敬意を表している日本のフアンの一人です。実は私も活字を武器に雑誌メディア「噂の真相」で25年間にわたり、告発ジャーナリズムを実践してきました。書かれた側からの裁判沙汰や右翼団体による肉体的な危害も受けました。「国家を撃つ!」活動は、暴力装置を併せ持つ国家の先兵たちが、さまざまな干渉、妨害、抹殺のための刺客をあちこちに配置しています。 しかし、貴殿の仕事はノーベル賞以上の、世界の平和に貢献する英雄的行為です。私は雑誌という媒体でしたが、一瞬のうちに世界を駆け巡るインターネットに比べれば、手ぬるく、まどろっこしい進化が遅れたメディアです。むろん、世界中に存在する新聞、電波メディアも既得権益の中で、真相を追及するにはタブーや手枷足枷が多すぎます。マイケルムーア監督のドキュメント映画による告発も支持していますが、アサンジさんのネットメディアによる告発・暴露には、市民目線で言えば絶対的正義があります。国家が総力をあげて妨害、潰しを仕掛けてくるでしょうが、世界市民というバックグランドの方が強大で、その存在は不滅です。既得権益を死守する連中にとっては、きわめて現代的なゲリラ革命に見えるはずです。身辺に気を付けて、今年もウィキリークスの存在を全世界に発信してください。既得権益に縛られた旧時代はもう世界的に今年で終わりにしましょう。 米軍基地に占拠された極東の島・沖縄より 岡留安則>
  カウントダウン・パーティは今年もマニラの野口裕哉邸(マニラの日本語新聞「まにら新聞」社主)で迎えた。正月休みは、このマニラでリフレッシュして沖縄にもどるつもりである。当欄の読者は、今年もよろしく。

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2011.12.28

■12月某日 いよいよ官庁の御用おさめの時期だ。だというのに、沖縄では防衛省が普天間の移設先とされている辺野古新基地建設のための環境アセスメントの評価書の年内提出に躍起となっている。反対派が県庁内外で評価書提出の阻止行動を行っているため、防衛省は、郵送での発送に切り替えた。にもかかわらず、午前4時の車による搬送も反対派の阻止行動にあって、防衛省の思惑通りにはいかなかった(最終的には県が受理)。だいたい、年末ぎりぎりに郵送で送りつけるなんてフザケタ話ではないか。何があろうとも直接、持って来るのが筋だろう!「社会保障と税の一体化」にしても、年内ぎりぎりの決定を狙っているが、民主党内からも反対の声が多く、すでに辞表を提出した議員が9名出た。新党をぶち上げて、一足早く問責決議案の不成立に抗議して単独で辞任した松木けんこうあたりと合流するつもりだろう。いずれも、根底には民主党の政権交代時の公約を破る民主党執行部に対する党内の反対派の抗議の意思がある。年末になって八ッ場ダムの建設再開も決めた。これに対しても、公約破りに賛成できないとして政務三役の一人が辞表を出した。
 いち早く国会を閉じて、民主党執行部と政府が国民や野党の存在を無視して「税制政調会」あたりが独断で進めているのだから、民主党のいう「国民の生活が第一」のスローガンは完全に空文化している。少なくとも政権交代時にこんなやり方を民主党が臆面もやるとは予想すらできなかった。高速道路無料化、高校教科書無償化、農家の個別保障制度、公共工事にしても「コンクリから人へ]との方針を掲げたにも関わらず、八ッ場ダムの建設再開にGOを出したのは周知の通り。財源がないといいうが、菅前総理は、「鼻血が出なくなるまで絞る」と豪語したにもかかわらず、官僚組織が既得権益をz全組織と存在をかけて守り抜いたためである。財源がないというのは嘘である。すくなくとも、国家公務員の給与削減、国会議員の定数削減、財務省が保持する無駄な国有財産の売却だけでも膨大なものになるはずだ。一説では500兆といわれる。全赤字国債の約半分だ。
  菅総理に続いて野田総理も財務官僚の術中に落ちだのである。安住財務大臣なんか経済のけの字もしらない門外漢である。財務省の悲願が自民党時代ではなく、民主党政権になって実現できるのだから、如何に民主党が、経験不足と、経済に関して無知蒙昧であったかが証明された、年末になって福島第一原発で、東電や経産省・保安局のデタラメなやり口が次々と明らかになっている。こんなド素人政府に世界一危険な原発処理を任せてきたことにゾっとする。政治も官僚も、御用文化人も被災差のために真剣勝負を挑んだとは到底言えない。仮設住宅で寒さをしのぎ、仕事もなく、襲来の展望もない被災者に、いくら「絆」や「日本は一つ」などと叫んでもメシのタネにもならない。  それにしても原発再稼働や原発の海外輸出を画策している民主党の仙谷由人らはどういうメンタリティをしているのか。最悪の総理だった菅総理ですら、最後は脱原発路線に道筋をつけた。どうせ、辞める総理の言い分など、そのうちなし崩しに黙殺すればいいと思っているのではないか。前原政調会長が道筋をつけたらしい沖縄振興基金も「満額回答」に近い2900億円が計上された。前原の思惑は金で辺野古新基地をつくらせるためのアメでしかない。泡瀬干潟埋め立てしかりである。仲井真知事も環境アセスに対しては、防衛省の役回りと他人事のような発言。まさか振興基金ので、防衛省と取引する心算ではないだろうな。暮れも押し詰まってのドサクサ紛れの民主党野田政権のヤリクチは、政治主導ではなく、官僚内閣制そのものである。これ以上、悪政を打ち出す前に身を引くべきである。
 かといって、自民党に任せたらもっとひどい官僚との癒着が始まる。自民党はあと一年選挙がなければ資金的にも干しあがるといわれている。早いうちに、解散ではなく、何らかの形で野田内閣の総辞職に期待したいというのが、筆者の見立てだ。後任は無事に裁判をクリアした小沢一郎しかいない。最後の豪腕を発揮して、「国民が第一」の公約の原点に何としても立ち止まってもらいたいものだ。遠回りした民主党だが、それしか日本再生の道はない。違うというなら、ポスト野田は誰がいいというのか。他にだれもいないではないか。もし小沢でダメなら、日本は沈没、ジ・エンドである。

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2011.12.25

■12月某日 さっさと国会を閉じた民主党が、年末を前にしてやりたい放題の悪あがきを見せている。北朝鮮の独裁を笑っている場合なのか。公約を次々破るのは完全な裏切行為だ。就任前から悲願にしてきた消費税も2015年に10%まで挙げる方針を固めてしまった。民主党内だけでも100人以上は確実に反対派が存在する。財務官僚にしてやられた安住財務大臣に公約破りの罪悪感は露ほどもない。ホントにアホな財務大臣だ。消費税増税の前に徹底した予算の削減をやるという公約も反古にして、である。議員定数削減や国家公務員給与削減などはあっさり先送りしての増税なんてありえるのか。ならば、政権のやりくちが支持されているかどうか、選挙で民意を問うべきである。先に案を確定して後で民意を問うという民主党の言い分もふざけた話である。メディアもしっかり批判せよ!
  八ッ場ダム建設もなし崩しで建設再開を決めた。国土交通大臣に就任して建設中止を勇ましくぶち上げた前原政調会長も一応の抵抗姿勢はみせたものの、最後は政府に一任という無責任さ。前原氏に対して一部では過剰な評価をする連中もいるが、筆者にいわせれば、調子のいい口先男である。野田政権の閣僚にはろくな人材がいない。前田国土交通大臣なども、これまでの自民党のゼネコンみたいな体質しか持ちあわせていないようだ。どこが民主党だ。官僚か利権屋にしか見えない。問責決議が可決され一川、山岡大臣だけでなく、まともな閣僚が見あたないのだから、民主党に対する絶望感がドンドン強まるのも当然だろう。     
  先の大阪府知事選、大阪市長選でも自民党と組んだ民主党は大惨敗だった。しかし、選対本部の致命的な判断ミスと惨敗の責任は誰一人とらない。菅前総理の前回の参議惨敗の時もそうだったが誰も責任を取らない。上に立つ政治家がこれでは、官僚たちがやりたい放題になるのも当然だろう。早ければ来年にも予想される解散総選挙に民主党が勝てる可能性は限りなくゼロに近い。現有議席から半減は間違いなしだが、執行部にその危機感はまったく感じられな。どういう持ち主なんだ。それとも、権力奪取に舞い上がった単なるド素人集団の権力ゴッコなのか。
  沖縄関連の振興予算は2900億円で決まった。当初の一括交付金3000億円よりも減額されたものの、大幅アップとなった。だが、沖縄県民にすれば、予算増額を手放しで喜べる状況ではない。仲井真知事が東京で民主党幹部や閣僚クラスと極秘の会談を続けた結果がこれだったのか、と思わざるを得ない。辺野古移設のための環境アセスを防衛省が進めることに対してもあっさり容認した。アセスの権限は防衛省にあるのは間違いないが、「県民の意志はアセス提出に反対である」ことを強く明言すべきだったし、振興予算と基地問題はリンクさせないという強固な意志を示すべきだったが、それもふにゃふにゃ。沖縄予算に関しては前原政調会長の陰謀臭いが、そうだとすればタチが悪すぎる。仲井真知事が振興予算と引き換えに辺野古建設容認をやるのではないかと勘繰りたくなる。少なくとも東日本大震災の復興予算じたいが厳しい中で、沖縄だけ特別視することのひとつが基地対策である事は間違いないろう。北部振興予算も20億円削られたが、50億円は認められた。いまだに、前原が建前上否定するアメとムチの政策は強固に存在しているのは明らかである。ケビン・メアではないが、やはり、たかりの名人なのか。
  米国が東芝の子会社を使って原発を30年ぶりに建設するという。福島第一原発は米国のGEである。脱原発は完全無視なのか。オバマ大統領も碌な人物でしかないことがバレバレだ。来年は、北朝鮮、中国、ロシアも政権交代を迎える。日本も未熟な政権の元で先の見えないまま、非常事態に突入するつもりなのか。それでいいのか、ニッポン、チャチャチャ!!

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2011.12.20

■12月某日 北朝鮮の最高実力者・金正日総書記・軍事委員長が公務中に列車内において心筋梗塞で死去した。69歳だった。これまでも死亡説は年中行事のように何回か流れたが、今回は朝鮮中央テレビが全世界に向けて報道したことで世界中に衝撃が走った。遺体もすでに見学ができるようなショーケースにおさめられている映像も流れた。いずれは遺体の永久保存を施して、中国の毛沢東のような神格化が図られるのだろう。金総書記は以前にも脳梗塞で倒れたこともあり、まだ半身不随が多少残る体だった。後継は三男の(正恩)ジョンナン、20代後半に以前から決まっていたため、日本のメディアが危惧するような内乱の勃発や難民が大流失するような事態は当面はないとみていい。しかし、「大将」から一躍NO1に抜擢されたことで、今後の人事配置や力関係において内部で不満がくすぶる可能性もないわけではない。
 しかし、それにしても、ワイドショーや報道番組を中心に、日本のメディアはこの金総書記の逝去報道一色だった。小泉元総理のコメントはともかく、久々に見た安倍晋三元総理が各局を渡り歩くさまも映像に映しだされた。筆者の知り合いでもある鈴木琢磨、辺眞一、李英和などの北朝鮮ウォッチャーも各局に勢揃い。横田めぐみさんの両親まで駆り出されていた。拉致被害者の行方がいまだに不明という事情もあるだろうが、異常といえば異常な報道ぶりだった。国内的には原発関連の報道や「社会保障と税の一体改革」も大詰めだ。韓国の李明博大統領が突き付けた韓国人従軍慰安婦補償問題も、野田総理との見解は大きく食い違いを見せたままだ。ソウルの日本大使館の前には第二、第三の従軍慰安婦の銅像が建つのではないか。日本は解決済みを強調するが、65年の日韓条約の締結は韓国の軍事政権との間で政治決着を見ただけであり、当時の戦争犠牲者に対する個別の補償は一切なされていない。野田総理の官僚答弁のような「解決済み」の一言で終わる類のものではないはずだ。
 それはともかく、面白かったのは朝鮮中央テレビのNO1アナウンサー・李氏が、喪服を着ていつものように大仰な抑揚をつけて訃報を読み上げたことだ。その直前までは、李アナウンサーは「干された、消された、引退した」との報道が飛び交っていた。訃報が流れる直前には、北朝鮮が日本海上に短距離ミサイルを発射したしたとの報道も流れたが、訃報の後は追加情報も一切流れなくなった。北朝鮮が秘密主義で謎の部分が多いのは事実だが、日本の報道も真実よりも、北朝鮮報道ならば「何でもあり」の印象が強い。それはともかく、世界でも有数の厄介な国である北朝鮮が、20代後半といわれている金正恩に国家運営のリーダーが務まるのか。当面は集団指導体制にならざるを得ないだろうが、6か国協議、核問題、拉致問題など懸案は多い。
 直接は関係ないけど、韓国や北朝鮮における「泣きの文化」にはいつも異和感を感じさせられる。特に北朝鮮の場合は世襲による独裁体制と国家的洗脳教育のせいで、ことさらに大仰だ。北朝鮮にいる「よど号」グループと一度だけ95年にピョンヤンで対面したことがあるが、そこまでは聞きそびれたが、彼らにはもはや反スターリン主義の視座は全くなく、朝鮮労働党に絶大なる忠誠を誓っていた。その意味では、彼らも金総書記の逝去で「アイゴー」と一晩中泣き叫んだのだろうか。どんな人でもなくなることは悲しいことだが、筆者などは、「男は黙って耐え忍ぶ、やたらと涙をながしたり、取り乱したりするものではない」という教育を受けてきた。人の死は悲しいが、無神論者にとっては、泣き叫んでも死者が甦るわけではないという認識もある。韓流ブームで日本と韓国の文化レベルの交流が加速度的に進むことは喜ばしい限りだが、この泣きの文化だけは民族の違いがあるとはいえ、理解が難しい。まして、これからしばらく続くであろう北朝鮮の人々の集団ヒステリーのような国を挙げての葬儀風景は、なんともおぞましい気がしてならないのは筆者だけなのだろうか。ま、それはそれとして、世界の異端児・北朝鮮の今後に関しては目の離せないところだ。

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